最近は、「頑張らなくていい」「ありのままでいい」「やりたいことだけやればいい」という言葉がよく言われます。頑張ってがつがつ努力して、我慢して・・というのは一昔前の価値観で、もう古い、なんていう空気があるんですね。
「しゃかりきになって頑張らなくてもいいんだよ。ありのままのあなたで素晴らしいのだから・・」
確かに、それも一理あるんです。頑張りすぎてしまってうつ病になる方もいらっしゃいますし、自分を追い込んでしまうっていうケースだってあるのだから。ただそれは、自分の限界や適性を無視して盲目的につっぱしったり、過剰な義務感に苛まれていたり、といったような、ちょっと病的な「頑張り」かもしれません。
見落としてはいけないのは、健全な頑張りや努力は、何かを身に着けていったり、自分なりの課題を超えたり、何かの分野で成し遂げていくためには、必要不可欠だということです。ふわ~っと努力もせず、ただ流されるまま生きている人が何かを成し遂げた、なんていう話は聞いたことがありません。もしあったとしたら、本人がその努力を努力と思っていなかったってことでしょう。
人生の岐路にたち本当に好きなことを仕事にしていきたいと願うなら、その「好きなこと」をとことんやり尽くす勢いでやらなくてはいけないでしょう。好きなことをやるのは簡単でしょうけれど、それが人に認められて価値を生むためには、それなりのクオリティが求められます。それなりのクオリティを提供するためには、そのクオリティを生めるだけの技術や知識や経験値が必要です。逆境や、スランプを超えて、それでもやることを選択するだけの強さも必要でしょう。そんなレベルには、努力なくしては到達できません。
夢のようなことをぽかーんと考えていて、いつの間にかかなっちゃったってことはほとんどありません。夢を描いたら、それに向かって力を尽くしていかなければ、現実には一歩も近づかないのです。
「そろそろ頑張らなくていいよ、ありのままでいいよ」その言葉は、本気で頑張って頑張り尽くしたことがある人に対して、初めて言ってもいい言葉かもしれません。
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